備長炭イメージ

紀州備長炭

和歌山県(紀州)で生産される高品質の木炭です。この地域で育つ馬目樫を丁寧に選別し作られています。日本国内の他の地域で作られる炭は馬目樫に比べるとやや柔らかいようです。

紀州備長炭は他の炭に比べて温度が低いものの、赤外線量がとても多く食材の中に熱を通すのに向いていると同時に殆ど煙も出ず、匂いもないことから最も料理に適しているともいわれます。叩くと鉄のような音を奏でる備長炭は黒炭に比べるとずっと固く、原木の水分を飛ばしながら、酸素をほとんど与えず、高温で蒸し焼きにされるため、このような硬い炭になります。水分を含ませた灰と土を混合させた「素灰:すばい」をかけて消火させます。この灰が炭の表面に付着して白っぽく見えることから、「白炭」といわれます。紀州備長炭も「白炭」の一種です。

必要な原木のみを伐採し作られる紀州備長炭は再生される森林資源とも言われます。伐採後はまた自然に生育し、30年ほどで再び伐採される大きさに成長します。木炭の燃焼時にはCO2が発生しますが森林が再生されるので、その時にCO2を植物が吸収します。環境を考えて採りすぎない管理と、自然のリサイクルからなる馬目樫の成長は江戸時代から紀州の地に息づいているようです。

BACK